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これからは自分をプロデュースする時代!キャリアプロデュースとは

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2019年5月13日、日本を代表する企業トヨタの奥田章男社長が「終身雇用を守るの難しい」と発言したことが、世間に衝撃を与えました。

国民は薄々感じてはいたものの、トヨタのトップが明言したことで、世の中の意識が大きく変わりました。

ご存知の通り、トヨタという企業は系列に膨大な企業を抱え、日本の自動車産業をけん引する存在であり、日本のモノ作りのシンボルです。そして、“トヨタ=日本型働き方”でもあります。

しかし急激な技術の進歩が、創造的破壊を起こしているのです。

今後は一つの会社でキャリアを積み重ねるスタイルはほぼなくなり、戦略的に転職をし、その度にスキルをアップして市場価値を高めていくキャリアプロデューススタイルが浸透していきます。

そのキャリアプロデュース的生き方について、解説していきたいと思います。

 

【目次】
1. 新卒入社の30%が3年以内に転職
2. 自分がやりたいことを軸を定める
3. キャリアプロデュース的転職とは
4. キャリア形成に有利な企業一覧
5.まとめ

 

1. 新卒入社の30%が3年以内に転職

マイナビ転職による転職経験のある20~39歳の113人に「転職するなら、とりあへず3年働いてからだと思いますか?」「その理由は何ですか?」というアンケートの結果を以下に記します。

【初めての退職は入社何年目の時?】
・1年目/17.7%
・2年目/23.0%
・3年目/25.7%

3年以内に辞めた人の合計は、全体113人の66.4%に達しています。

マイナビ転職が実施した「初めての退職は入社何年目の時?」という質問に対する統計データ

 

また厚生労働省による調査では、新規学卒就職者の就職後3年以内の離職率は、新規高卒就職者39.2%、新規大卒就職者32.0%に達しています。

 

2016年厚生労働省による「新規学卒就職者の就職後3年以内の離職率データ」

上記のデータから考察されるように、今後の日本人の働き方は、複数の企業で働くことになります。

この時重要になってくるのが、キャリアにおける自分軸の設定と、上手な転職&起業戦略です。会社から給料をもらいながら自分のスキルを磨き、いかに自分の市場価値を上げていくか。

逆にいうと、自分の市場価値があがる企業をどう見つけ、どうアプローチしていくか。

仕事本体のスキルだけでなく、常にアンテナを張る情報感度と、良質な転職情報を得る情報収集力、そして書類選考及び面接に受かるプレゼンテーション力が重要です。

それらが総合的なキャリアプロデュース力として、自分の人生の充実度に大きな影響を与えるのです。

 

2. 自分がやりたいことを軸に定める

自己のキャリアプロデュースにおいて、核になるのは「自分は何がやりたいか」です。

一度きりの人生を、いかに充実させるか。そのためにはやりたい仕事を設定し、その競争優位性を高めるキャリア転職を実行し、スキルと年収と人脈を身に付けていくことです。

自分のやりたいことが明確になっていると、モチベーションも上がり、挫折や苦難も乗り越えられる可能性が高くなります。逆に自分のやりたいことが明確になっていない場合、目先の高い報酬の仕事に目が眩んでしまったりする危険性もあります。

キャリアプロデュースは、中長期的な視点で考えるべきです。

多少の給料のアップダウンよりも、自分のキャリア成長の視点から職場を選ぶべきです。「IT技術を活用しているか」「新しいマネジメントスタイルがあるか」「人材の多様性はあるか」など、企業成長力を測るいくつかの視点で、転職企業を精査します。

自分のスキルを最大限に発揮でき、かつ付加価値をもたらす仕事環境こそ、最高の環境といえるでしょう。

これからは自己プロデュース的生き方が重要になってくる

 

3. キャリアプロデュース的転職とは

自分のやりたい軸がブレず、戦略的にスキルを吸収しながら年収も上げていくのが、理想のキャリアプロデュースです。

その先にストックオプションを付与されて経営陣に入る選択肢もあれば、自分で会社を立ち上げて上場を目指す、もしくは事業売却という選択肢もあるでしょう。

最近の就職戦線の動きの象徴が、東大京大早慶旧帝大クラスのトップ層が、外資系コンサルティング企業にシフトしていることです。

様々なプロジェクトを通して、大企業の経営課題を解決するコンサルティング業務が、高給を得ながら将来の経営訓練にもあることが大きな魅力になっているようです。

また、転職理由も重要です。

一般的な転職には、「ポジティブ(前向き)な転職」と「ネガティブ(後ろ向き)な転職」があります。それぞれの代表的な転職理由を、以下に記します。

【ポジティブ(前向き)な転職理由例】
・自分のスキルアップを考えて部署異動を希望したが、叶えられなかった
・今の環境では、自分の強みを存分に発揮できないから
・前職では〇〇〇という自己目標を設定していたが、解決できなかった

【ネガティブ(後ろ向き)な転職理由例】
・給料が安い
・社内の人間関係がうまくいっていない
・社長のワンマン体質についていけない
・目標ノルマがキツイ
・サービス残業が多い
・会社の商品力が弱い

結論から申し上げると、キャリアプロデュース的転職には、肯定的な動機で攻めるべきです。転職理由には、その人のキャリアプロデュースのスタンスが現れます。

“自分がやりたいことに対する不満”は、面接官も肯定的に評価します。自分の力を最大限に発揮しようとする人材こそが、彼らが捜している理想の人材だからです。

逆に年収レベルや職場の人間関係といった“自分がやりたいこと”以外の不満は、仮にあったとしても胸のうちにしまっておいた方がいいでしょう。そういった不満を持つ人材は、どこに行っても不満を持つとみなされるからです。

自分のやりたいことが決まっている人のキャリアの大きな特徴は、職種がブレておらず、転職ごとに活躍できるフィールドが大きくなっていっていることです。

活躍できるフィールドとは、技術の先進性であったり、役職の裁量権、予算の規模だったりします。それは、企業規模に比例しないことも多々あります。

あと、今後のキャリア形成に無視できないのが、新型コロナウイルスによる影響です。

2020年8月1日の週刊ダイヤモンドに、トップ転職エージェント31人アンケートによる「コロナ以降、転職希望者が重視する条件について」という興味深いデータが掲載されていました。

【コロナ以降、転職希望者が重視する条件】
1位 企業や事業の将来性/48点
2位 在宅勤務の可否/31点
3位 フレックスタイムの有無や時差通勤の可否/29点
4位 自身の成長機会があるか/12点
5位 仕事内容/10点
6位 社風、職場のカルチャー/10点 
7位 福利厚生の充実/7点
8位 給料/6点
8位 勤務地/6点
10位 労働時間の長さ、休暇がきちんと取れるか/3点

上記のアンケートデータを見ると、従来重視されてきた「自己成長機会」や「仕事内容・やりがい」よりも、企業の将来性とテレワークに代表される在宅勤務に関心が高くなっていることが分かります。

外部環境によって、雇用ニーズは刻一刻と変化します。

「これからの時代には、どんな人材が求められるのか」という企業ニーズを常に把握し、「自分のやりたいこと」と「企業が求めること」の接点を計算しながら生きることが求められる時代といえます。

 

4. キャリア形成に有利な企業一覧

自己のキャリアをセルフプロデュースする生き方を実現するためには、どんな企業が相応しいのでしょうか。

2020年8月14日、東洋経済ONLINEに『社員のキャリア形成に熱心な会社』TOP150社~人生100年時代に望まれる企業はどこか~が特集されていました。

「長期的視点」「自律的学び」「社会への貢献」の3つの視点で構成される「プラチナキャリア」を定義した上で、個人のキャリア形成のためのスキルアップを促進している企業をランキングにしたものです。

1位にランキング入りしたT&Dホールディングスは、以下のような先進的な取り組みを行っています。

・グループ生保3社(太陽生命保険、大同生命保険、T&Dフィナンシャル生命保険)で取り組みを実施
・定年を65歳に引き上げ
・希望者は最長70歳まで働くことが可能
・50代以上を含む幅広い層で中途採用実績
・50歳以上を対象したキャリア研修
・若手社員に向けては希望するプロジェクトへの配置や公募型研修
・社内インターン制度
・テレワークを制限なしに承認
・ボランティア休暇(年6日、有給)
・ボランティア休職(最長1年)
・業務時間中の社会貢献活動を許可

それ以外の企業も、社会の変化やニーズに対応できる組織作りの一環として、社員一人一人のキャリア形成支援に力を入れ始めていることがよくわかります。

 

【社員のキャリア形成に熱心な会社TOP150社】
1. T&Dホールディングス/保険業
2. 日本生命保険/保険業
3. 積水化学工業/化学
4. サントリーホールディングス/食料品
5. アイシン精機/輸送用機器
6. 大和証券グループ本社/証券・商品先物
7. マツダ/輸送用機器
8. 三井住友フィナンシャルグループ/銀行業
9. サッポロホールディングス/食料品
10. 味の素/食料品
11. 丸井グループ/小売業
12. アサヒグループホールディングス/食料品
13. オムロン/電気機器
14. 東京海上ホールディングス/保険業
15. 富士ソフト/情報・通信業
16. 双日/卸売業
17. ファンケル/化学
18. ベネッセホールディングス/サービス業
19. 住友林業/建設業
20. リコー/電気機器
21. 日立システムズ/情報・通信業
22. JT/食料品
23. エーザイ/医薬品
24. SOMPOホールディングス/保険業
25. AGC/ガラス・土石製品
26. 九州電力/電気・ガス業
27. 日立ハイテク/卸売業
28. ディスコ/機械
29. NECソリューションイノベータ/情報・通信業
30. 三菱商事/卸売業
31. オリックス/その他金融業
32. 積水ハウス/建設業
33. NTTデータ/情報・通信業
34. 明治安田生命保険/保険業
35. NTTドコモ/情報・通信業
36. 住友商事/卸売業
37. ブラザー工業/電気機器
38. IDEC(アイデック)/電気機器
39. クボタ/機械
40. クラレ/化学
41. 日本ガイシ/ガラス・土石製品
42. シスメックス/電気機器
43. 関西電力/電気・ガス業
44. ライオン/化学
45. 住友ゴム工業/ゴム製品
46. J.フロントリイング/小売業
47. セイコーエプソン/電気機器
48. トッパンフォームズ/その他製品
49. キリンホールディングス/食料品
50. 伊藤忠テクノソリューションズ/情報・通信業
51. カルビー/食料品
52. 東京センチュリー/その他金融業
53. ワコールホールディングス/繊維製品
54. ティーガイア/情報・通信業
55. オリンパス/精密機器
56. 荏原/機械
57. 電通グループ/サービス業
58. 日東電工/化学
59. ゆうちょ銀行/銀行業
60. マブチモーター/電気機器
61. NECネッツエスアイ/情報・通信業
62. サンゲツ/卸売業
63. 三菱マテリアル/非鉄金属
64. 芙蓉総合リース/その他金融業
65. オカムラ/その他製品
66. ウェザーニュース/情報・通信業
67. 大日本印刷/その他製品
68. 日清製粉グループ本社/食料品
69. 高島屋/小売業
70. アルプスアルパイン/電気機器
71. カゴメ/食料品
72. J‐オイルミルズ/食料品
73. H.U.グループホールディングス/サービス業
74. ユニ・チャーム/化学
75. 大和ハウス工業/建設業
76. 川崎重工業/輸送用機器
77. トクヤマ/化学
78. ミネベアミツミ/電気機器
79. JBCCホールディングス/情報・通信業
80. 東洋紡/繊維製品
81. 清水建設/建設業
82. リンテック/その他製品
83. ディップ/サービス業
84. TIS/情報・通信業
85. 三菱UFJフィナンシャル・グループ/銀行業
86. 三井不動産/不動産業
87. 東レエンジニアリング/機械
88. ルネサンス/サービス業
89. 三菱総合研究所/情報・通信業
90. リコーリース/その他金融業
91. トーホー/卸売業
92. 協和エクシオ/建設業
93. 三菱ガス化学/化学
94. 三菱電機/電気機器
95. 東急建設/建設業
96. 小野薬品工業/医薬品
97. キャスレーコンサルティング/サービス業
98. 野村ホールディングス/証券・商品先物
99. キャノン/電気機器
100.大日本住友製薬/医薬品
101.大東建託/建設業
102.ダスキン/サービス業
103.ニコン/精密機器
104.日本郵政/サービス業
105.パソナグループ/サービス業
106.東洋インキSCホールディングス/化学
107.日本特殊陶業/ガラス・土石製品
108.三井化学/化学
109.ローム/電気機器
110.ブリジストン/ゴム製品
111.鹿島/建設業
112.三越伊勢丹ホールディングス/小売業
113.日新電機/電気機器
114.第一三共/医薬品
115.三菱地所/不動産業
116.新生銀行/銀行業
117.日新食品ホールディングス/食料品
118.OKI/電気機器
119.ジーエス・ユアサコーポレーション/電気機器
120.ダイフク/機械
121.曙ブレーキ工業/輸送用機器
122.太平洋セメント/ガラス・土石製品
123.住友重機機械工業/機械
124.帝国ホテル/サービス業
125.グンゼ/繊維製品
126.日本精工/機械
127.塩野義製薬/医薬品
128.大成建設/建設業
129.ヤマハ/その他製品
130.日本電産/電気機器
131.ハウス食品グループ本社/食料品
132.ファミリーマート/小売業
133.アシックス/その他製品
134.三菱重工業/機械
135.アスクル/小売業
136.京セラ/電気機器
137.東京スター銀行/銀行業
138.ジーテクト/金属製品
139.ポーラ・オルビスホールディングス/化学
140.TOYO TIRE/ゴム製品
141.ダイセル/化学
142.横浜ゴム/ゴム製品
143.大林組/建設業
144.オートバックスセブン/卸売業
145.やまびこ/機械
146.マクセルホールディングス/電気機器
147.新電元工業/電気機器
148.滝澤鉄工所/機械
149.高砂熱学工業/建設業
150.デサント/繊維製品

 

また2020年8月1日の週刊ダイヤモンドで、『コロナ時代に社員の口コミ評価を上げた企業ランキング』が掲載されていました。以下、紹介します。

【コロナ以降、転職希望者が重視する条件】
1. 野村不動産/不動産
2. ほけんの窓口グループ/保険
3. 日本航空(JAL)/空運
4. 農林中央金庫/金融
5. アダストリア/小売業
6. ベイカレント・コンサルティング/コンサルティング
7. ベネッセコーポレーション/教育
8. 住友重機械工業/機械
9. 全日本空輸(ANA)/空運
10. クラブツーリズム/旅行
11. LITALICO/サービス
12. 船井総合研究所/コンサルティング
13. 三井住友銀行/銀行
14. キーエンス/電気機器
15. NTT東日本/情報・通信
16. 住友電気工業/非鉄金属
17. 大和証券/証券
18. 野村証券/証券
19. 電通/広告
20. 楽天/IT
21. JACRecruitment/人材
22. SCSK/情報・通信
23. 旭化成/化学
24. 日本政策金融公庫/金融
25. アクセンチュア/コンサルティング

 

5. まとめ

いかがだったでしょうか。

企業依存型の働き方が変わり、副業も解禁された今、主体的に動き複数の収入源を持つ人が増えています。

市場で必要とされるスキルを身に付け、収入源のポートフォリオを自分で考え、自分でキャリアプロデュースする時代に入ったといえるでしょう。

自分の強みが認められ、それが収入にもつながり、時間の自由も手に入る時代。

それが実現できるかどうかは、個人の判断と戦略、そして実行力にかかっているのです。

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